2023.08.24What's NEW
型破り と 型無し
型破り
一般的、常識的な型や方法にはまらないこと。
または、独創的な発想を持ち行動すること。
などと理解されています。
先日ある本で、歌舞伎役者、第18代目中村勘三郎さん(平成24年逝去)がおっしゃっていた「型破り」の意味について、紹介されているものを読みました。
彼は、こう述べています。
「型がある人が型を破るから“型破り”であり、型のない人が新しいことをやっても、それは“型無し”である」と。
一般的には最初に記載したような独創性のみに注目して使ってしまう言葉ですが、彼はそうではなく、基本の部分がしっかりと土台になっているからこそ、「型を破ることができる」と言っています。その基本がなく好き勝手に行うことは「型無し」だと。
彼にとっては、歌舞伎という長い伝統という「型」がしっかり根付き、その上で現在進行形の歌舞伎芸術として進化(破り)していくべき。そう、想っていらっしゃったんでしょう。
この話にあらためて、とても、深く、深く感動してしまいました。
このことは、全てのことに当てはまるように感じます。
世の中はどんどん前に進み、新しいものが生まれてきています。形を変え、方向性を変え、見た目を変え・・・どんどん変化していきます。それはある意味世の中の求めるものが変化してきている証拠でもあると思いますが、「変化」のみに気を取られる風潮があるように思います。そうなると、真髄は抜け落ちて、表面的なもののみが伝えられてしまう。
それが、芸能であっても、料理であっても、教育であっても・・・全て同じです。
世の中の変化のスピードが速くなるにつれ、深い意味を捉える時間が無くなって、変化していくことのみに興味をそそられているのでは・・と思えてなりません。つまり、「型無し」を「型破り」と勘違いしているような‥。
勘三郎さんの「型破り」は「型無し」とは全く異なった次元の深みのある変化と言えるのではないでしょうか。
私自身も、アレクサンダーテクニークを指導する者として、「基本の型」つまり「真髄」がどこにあるのか?常に問い続けることが必要だと考えています。指導者によって、それぞれの個性が加わり、同じものを表現しても必ず違いが生じてきます。しかし、その奥にあるものは何か?その部分はしっかりと提示させていかなければなりません。土台の無い「型無し」にならないように。
また同時に、今現在必要な事は何か?ということにも、アンテナをしっかりと張っていかなければと思っています。新しい観点も必要です。
正に、「温故知新」でもありますね。
「型無し」ではなく…
勘三郎さんの言う、「型破り」でありたいものです。
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※テクニークのレッスンにおいても、基本的な「テクニークの概念」を体感し理解してい頂くことをファーストステップとしています。それが充実してくると、色々な応用ができるようになってきます。この過程を短縮して表面的な改善に走ってしまうと、根本的には何も変化が起こらず、すぐに元に戻ってしまいます。指導する側としても、とても大切にしている部分です。
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