2018.10.02コラム
耳にする様々な用語
ツボ、経穴、トリガーポイント、筋膜の重積(癒着)・・・・
日頃・・・・様々な用語を耳にしますね。
え??? 何がどう違うのかしら??
それぞれ論法(考え方)は異なりますが、近い部分も多いようです。
実は、10代の頃から肩こりや腰痛に悩まされていた私。
20代になって、左肩にビー玉の様なすごく硬い部分があることに気づくようになりました。
そこを押すと、とにかく気持ちいいのです。肩や腰など全体のマッサージよりも、その肩の一部分を押せば、全てが解決するように感じていました。当時はとにかくそのビー玉(コリ)をほぐしたくて、様々なマッサージ器具を買い、良いと噂のある病院や治療院を渡り歩き通いました。しかし功を奏する事はなく、ビー玉はそのまま。どんどん状況は悪くなり、頭痛、吐き気も感じるようになっていたのです。(今思い出しても気分が悪くなります!約20年間続きました。)
この左肩の問題部分。
正に、「ツボ」であり、「経穴」であり、「トリガーポイント」であり、「筋膜の重積(癒着)」個所だったのでは?と考えられます。そして勿論「血流も悪く」「筋肉の硬直」もあったのでしょう。
当時の私は、全身に鎧を身につけているような状態で、腹部を過度にへこませ、胸部は硬直、首も常に緊張状態でした。体調が悪いにもかかわらず、私本人は「これが正しい」と信じて全く疑っていませんでしたし、種々の病院や治療院に通っても、私の使い方を指摘する人に出会うこともできませんでした。私の全身にわたる悪い使い方の象徴として現れたのが、この「ビー玉」だったと考えられます。
その後、アレクサンダー・テクニークに出会って数年が経った頃、いつの間にかこのビー玉が無くなっていくたことに気づいたのです。直接刺激を加えたり、治療したわけではありませんが、20年来の頑固なビー玉は確かに融解したのです。
なぜか?
一言で言えば、「全身のバランスが整った」ということです。
ここで言う「バランスが整う」というのは、外観的に認識できる「姿勢」だけでなく、
*全身的な筋緊張(又は全身的な筋膜の状態)が整ったこと
*身体機能に沿った全身的な動きができるようになったこと(部分を酷使するような動きではない)
*刺激に対する精神的―身体的反応パターンが整ったこと
などが含まれます。
ツボにも、経穴にも、トリガーポイントにも、筋膜にも直接アプローチせずに、ゆっくりですが確実に改善していったのです。特に重要なことは、“日々の生活の中でビー玉を作りださないような自分”になることができた、ということです。
「ツボ、経穴刺激のための鍼灸や指圧」
「トリガーポイントを刺激するための用具」
「筋膜の重積(癒着)を解くための筋膜リリース」
などなど 様々な方法論、用具など、耳にすることも多いです。
痛みなどに即時的に対応するには、これらの方法論は非常に有効です。(どれも、全身のバランスを整える視野を持っての方法論です。)
しかし「表出してきた問題に対処するだけでは、必ず同じ状況に戻る。」ということを、深く理解することも重要です。
悪い状況を作り出しているのは、問題(痛み)を抱えている当の本人であり、その問題を再現させる可能性が高いのです。
当の本人が悪い状態を作り出さないようにすることの方が、大切なのではないでしょうか。
流されず、ちょっと立ち止まり、よく考えてみましょう。
アレクサンダー・テクニークに即効性を期待することはできません。しかし、様々な方法論を網羅するような内容が含まれ、長期的な改善に役立ちます。
今の自分に必要なことは何でしょうか?
言葉に振り回されずに・・・
P.S~ 私の左肩のビー玉、超音波エコーで見てみると・・・「筋膜の重積(癒着)が見えますね」と言われたかもしれませんね。(残念ながら、今はもう存在していないようです!)
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