2005.12.19コラム
癖(習慣、間違った使い方)というくせ者
アレクサンダー・テクニークの特長は??と聞かれたら? ん・・・一言で表現しきれないのがこのワークの特長なのですが、他のあらゆるボディーワークやトレーニング、健康教育関係のワークと比較すると、「癖(習慣、間違った使い方)」を正面から捉えているところなのではないかと思います。 (勿論、アレクサンダー・テクニークをどの分野に位置づけるのが適当なのかについても、非常に難しい問題なのですが・・)
毎日のようにテレビ、インターネット、書物などを通して、「腰痛を防ぐためには!」「鍛えて弱った部分を強くし、元気になろう!」「沢山歩いて脂肪を燃やそう!」 「ストレッチをして身体を柔らかくしよう!」などなど、すさまじい数の情報が氾濫しています。どれもが一理あることを述べてるのは確かでしょうし、効果もある程度期待できるから 多くの人々が夢中になるのです。 しかし、どのワークを見ても、個々人が長年蓄積してきた不必要な「癖」に関しては、全くといっていいほど言及しません。
つまり、個々人がすでに持ち合わせているものには触れず、そこに“付け加える”ことばかりなのです。
例えば、身体を柔らかくするための運動では、その説明では、「この部分を伸ばしましょう。捻った状態で両手のひらを合わせましょう。このあたりにはこの筋肉があって、 これが刺激されると、こういった効果が期待できます・・・・。」と、こんな感じです。また、スポーツジムに行くと、トレーナーから言われることは、「測定の結果、この部分が弱いようなので、 強化する必要があると思います。そうすれば、心肺機能を強化することができます。では、こういったメニューでトレーニングしていきましょうか・・」と。
果たして、それでいいの?と大きな疑問が浮かび上がってきます。
人によっては、右肩が上がったままの人がいれば、猫背気味の人もいます。頭が片方に傾いている人、片足ばかりに体重を掛けて歩く人もいます。 この状態のまま“付け足し”の活動を要求しても、効果を期待するどころか、 歪みを、猫背を、首の傾きを、さらにひどくしてしまう可能性の方が大きいのです。これらの癖は、 その人たちが長年蓄積してきたもの(筋肉の緊張、硬直、悪い使い方)の集大成です。実践する側からすれば、達成感・効果を得たいが為に、言われたことを忠実に実行しようとするでしょう。 そうすれば、するほど、悪循環に陥ってしまうのです。この状況に陥りながら、本当に心肺機能が向上するのだろうか?という疑問にかられてしまいます。そして大抵の場合、それに対する自覚が全くない(堕落した感覚認識)ために、最終的に怪我や痛みと付き合うことになるのです。
「癖」というくせ者を自覚しない限り、その上への“付け足し”は、単なる厄介者の追加に過ぎません。
アレクサンダー・テクニークが、どうして非常に簡単な動き(座ったり、立ったりなど)の繰り返しを重要視するのかというと、最小限の基本的な動きを用いて、その人が持っている癖、習慣、間違った使い方を自覚し、堕落した感覚を認める過程を大切にしているからだと私は考えます。もっとも効率的な活動を再学習していくためにも、 何をしなくていいのか?不必要なことは何なのか?を認識する必要があるのです。アレクサンダーの言う、Inhibition(抑制)、Non-doing(何もしないこと)、Leaving oneself alone(ほったらかしにすること)、Unreliable sensory appriciation(信頼できない感覚認識)がそれらの意味を含んでいます。
毎日のようにテレビ、インターネット、書物などを通して、「腰痛を防ぐためには!」「鍛えて弱った部分を強くし、元気になろう!」「沢山歩いて脂肪を燃やそう!」 「ストレッチをして身体を柔らかくしよう!」などなど、すさまじい数の情報が氾濫しています。どれもが一理あることを述べてるのは確かでしょうし、効果もある程度期待できるから 多くの人々が夢中になるのです。 しかし、どのワークを見ても、個々人が長年蓄積してきた不必要な「癖」に関しては、全くといっていいほど言及しません。
つまり、個々人がすでに持ち合わせているものには触れず、そこに“付け加える”ことばかりなのです。
例えば、身体を柔らかくするための運動では、その説明では、「この部分を伸ばしましょう。捻った状態で両手のひらを合わせましょう。このあたりにはこの筋肉があって、 これが刺激されると、こういった効果が期待できます・・・・。」と、こんな感じです。また、スポーツジムに行くと、トレーナーから言われることは、「測定の結果、この部分が弱いようなので、 強化する必要があると思います。そうすれば、心肺機能を強化することができます。では、こういったメニューでトレーニングしていきましょうか・・」と。
果たして、それでいいの?と大きな疑問が浮かび上がってきます。
人によっては、右肩が上がったままの人がいれば、猫背気味の人もいます。頭が片方に傾いている人、片足ばかりに体重を掛けて歩く人もいます。 この状態のまま“付け足し”の活動を要求しても、効果を期待するどころか、 歪みを、猫背を、首の傾きを、さらにひどくしてしまう可能性の方が大きいのです。これらの癖は、 その人たちが長年蓄積してきたもの(筋肉の緊張、硬直、悪い使い方)の集大成です。実践する側からすれば、達成感・効果を得たいが為に、言われたことを忠実に実行しようとするでしょう。 そうすれば、するほど、悪循環に陥ってしまうのです。この状況に陥りながら、本当に心肺機能が向上するのだろうか?という疑問にかられてしまいます。そして大抵の場合、それに対する自覚が全くない(堕落した感覚認識)ために、最終的に怪我や痛みと付き合うことになるのです。
「癖」というくせ者を自覚しない限り、その上への“付け足し”は、単なる厄介者の追加に過ぎません。
アレクサンダー・テクニークが、どうして非常に簡単な動き(座ったり、立ったりなど)の繰り返しを重要視するのかというと、最小限の基本的な動きを用いて、その人が持っている癖、習慣、間違った使い方を自覚し、堕落した感覚を認める過程を大切にしているからだと私は考えます。もっとも効率的な活動を再学習していくためにも、 何をしなくていいのか?不必要なことは何なのか?を認識する必要があるのです。アレクサンダーの言う、Inhibition(抑制)、Non-doing(何もしないこと)、Leaving oneself alone(ほったらかしにすること)、Unreliable sensory appriciation(信頼できない感覚認識)がそれらの意味を含んでいます。
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