2024.03.10What's NEW
乗馬に含まれる意味
図書館には頻繁に行くのですが…
先日、入り口近くの陳列棚に無作為に並べられていて…
ふと目に留まった本
「正しい姿勢で乗るための50の簡単エクササイズ」
ウェンディ・マードック著 緑書房
特に写真に写る方々の身体の使い方の美しさに引かれ、「私の考えと近いことが書かれているんだろうな」と思いつつ、借りて読んでみました。案の定、「そうそう・・」と深く共感しながら読みすすめていきました。
著者Wendy Murdoch:乗馬のインストラクター。自身の怪我の経験後、「どうしたら痛みなく思ったように体を動かせるのか」を考え始めたことで、馬術以外の分野の知識を学び始める。Anatomy in Clayの創始者のもとで研鑽を積み、フェルデンクライス・プラクティショナーの資格も取得。科学的なトレーニングを取り入れ、指導に取り入れている。
「50のエクササイズ」と銘打っているだけあって、具体的なエクササイズ方法が多数記載されています。しかし何といっても、単なるHow to本ではないということに感銘を受けました。なぜなら、エクササイズの内容を提示しているだけでなく、「どう感じていますか?」「何に気づいていますか?」を常に問いかけてくるのです。
特に、意識していない習慣を変えるには
① 自分がそれに気づく
② それに代わる新しい行動を学ぶ
ことを強調しています。つまり「認識」の重要性です。
(自覚がなければ、他人がとやかく指導しても何も変わらないのです)
そして、「脳の可塑性を活用し、古い習慣の配線をはずし、新しい配線を構築する・・これが古いパターンを変えることになる」と言及しています。その上での、数々のエクササイズなのです。
(正にアレクサンダーテクニークの考え方と同じです)
※一般的に「エクササイズ」と聞くと、我々はつい「何か新しいことをすればいい」と捉えがちです。しかし、「自分の現状がどうなのか?」に気づいていなければ、根本的には何も変わらないのです。単に付け加えられるだけで、土台は酷いままなのです。
そして、もう一つ特に感銘を受けたのが・・・
自身の心身の使い方が馬の動き(もちろん馬の精神的なものも)に大きく影響を及ぼすということにも何度も言及しています。乗馬は、単に馬の背中にまたがっているだけではありません。そして、人間の乗り方の良し悪しだけで完結するものでもないのです。我々人間のコーディネーション(バランス、緊張度合い、精神的安定など含む)が馬の動きやバランスなどに直結し、それが馬の自由な活動を引き出すことに繋がるのです。
「痛みなく動きたい」
「快適に動けるようになりたい」
ウェンディ自身もご自分の怪我と向き合い始めた頃は、自分中心の考えが中心だったのかもしれません。しかし、これは自分の使い方だけで完結する内容ではなく、乗馬においてはもっと広い意味での改善を意味しています。
実は、これは人間同士でも言えることではないでしょうか??
・子どもを抱えている親
・患者や介護者を抱えている看護師や介護士
・組体操をしている学生
・クラシックバレエやスケートにおけるリフト(持ち上げる) など
体を接触させてバランスをとったり動いたりすることは、我々の生活シーンのなかにも多々あります。
自分の使い方は他者に影響を及ぼし
他者の使い方は自分に影響を及ぼす
互いに感じ取っているのです。
自分が無茶苦茶なアンバランスな使い方をしていると、必ず相手に伝わります。そうなると、動きもぎくしゃくし無駄な緊張や労力を生みます。逆に、相手から受け取る場合もあります。
子どもを抱っこしている親御さん!
看護師さん!介護士さん!
実は乗馬と一緒なんですよ・・
(そんなこと考えたことない・・と言われそうですが・・笑)
自分自身の使い方を考えることは、自分の周囲の人々や動物などにも影響を与えることになるということに考えを広げてみましょう。
本の題名は「正しい姿勢で乗るための・・」ですが、もっと深い意味が含まれています。
それをしっかり提示されたウェンディさんに深い共感を覚えます。
図書館の入り口に並べられていた本
私のインスピレーションを引き出した本
これも出会いですね。
ありがとう。
P.S. フェルデンクライスメソッドは、アレクサンダーテクニークととても近い関係にあります。創始者フェルデンクライスは、F.M.アレクサンダーのレッスンを受け、その後フェルデンクライスメソッドが確立されたという話があります。ちなみに、この本にもアレクサンダーテクニークのライダウンワークが少しだけ紹介されていました。
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