生徒さんの感想はいつもハッとさせられます。

先日のレッスン中、ある生徒さんが興味深い話をされました。

「階段を降りる時、最後の１、２段で止まってしまうんです。タンタンタンと順調に下ってるのに、急に躊躇して止まってしまう。エスカレーターでは、最後に降りる直前、エスカレーターの動きに合わせてタイミングよく足をださなければならないから、少し止まって一歩踏み出しますよね。その癖が普通の階段を降りる時にも出てしまうんだと思うんですが…。習慣なんですかね？なぜでしょうかね？」

なるほど……

確かに、私もエスカレーターを降りる場合に直前に停止して、タイミングを合わせています。空港などにある「動く歩道」の場合も、スタスタと歩いていても、一旦少し停止してから片足を出しています。

動いている物（エスカレーターや動く歩道）に身を預けて自身も動いている時は、動いている物に感覚を合わせています。しかし、動かない地面に戻るときは、そのズレをリセットする時間が必要なのかもしれません。

ただ、動いていない単なる「階段」を降りる場合もそのリセットの時間が必要な気分になってしまうのか？？
そのパターンが習慣として深く定着し、似たような状況になると反応してしまうのか……？

話しは少しそれますが・・・
するつもりの事を失敗すること、たまにありますよね。
私は先日、卵焼きを作るためにボールに卵を割り準備するつもりが、ヨーグルトを取り分けていた器の上に卵を割り入れてしまい・・・（笑）！朝の忙しいお弁当準備作業中に、「何してんのー！！」と自分自身に腹を立ててしまいました。他の事を考えていたり、ちょっとした脳の混線が起きるんだと思います。普段当たり前にしている慣れた作業を失敗してしまうことはあります。（もちろん頻繁に起こるようでしたら、すぐに診察を受けるべきですが）

しかし生徒さんの上記の話は毎回らしく・・・
特別なストレスを感じるような作業でもないので、過緊張になる必要もない。
階段を降りることは問題なくできるのに、最後の段階で躊躇する。

ご本人の中でどのようなことが起こっているのか？？

ただ、高齢者の方々の動きを思い浮かべてみると、最後の１．２段はとても慎重に降りてらっしゃる気がします。「さぁ、あと少し…気をつけて降りないと…」と、階段を降りるという緊張感の最後の仕上げなのかもしれません。


生徒さんと2人で
んんん…と色々考えてしまいました。


エスカレーターの習慣？
脳の混線？？
慎重さの表れ？？？

または、
イップスのようなもの？
以前の記憶？
（こけてしまった、子供の頃の遊び　など）


明確な答えは出ていませんが…

レッスン後も色々思考を巡らせています。


気づいていない事、
分からない事は際限なくありますね。

そして好奇心が刺激されます。

皆さん、ありがとうございます！