「自分が思っているよりも、実際は自分の身体はもっと大きいんですよね」

先日、パーソナルレッスンの際にある生徒さんが、このように話されていました。

とても印象深い内容です。


実は、自分自身の身体は毎日付き合っている自分の持物にも関わらず、あまり実感なく扱っています。お風呂に入り、身体をこすり、触れて接しているにもかかわらず、そのサイズ感は漠然としたものです。我々は日常、服を選ぶ時も肩幅などのサイズを確認して購入します。また身体測定で身長を図ったり、布団やベッドを選ぶ際にも、サイズを確認したりしますよね。「長さ」「高さ」としての自分の身体を「○○㎝」としては理解しています。でも、「実感」として認識しているかどうかというと・・・・実は、とても非常に怪しいのです。

で、案の定、

ついつい色々なところに身体をぶつけてしまう・・・
動き出すと、思い通りにいかない・・・

（皆さんはいかがでしょうか？？）


自分が実感しているサイズ感と現実にギャップが生じ、周りのスペースと体の動きがミスマッチを起こしてしまうのです。で、人や物との距離を測ることができず衝突してみたり、動きがぎくしゃくしたり！！！！それも頻繁に・・！

自分自身の身体の感覚が明確でないと、サイズ感も同様に漠然としたものになるのです。

骨格構造などを勘違いしていたために、動きがぎこちなくなってしまうことがあります。

それと同様に、その立体的な大きさ・長さ・高さなどを勘違いしていると、関節の可動域も狭めることになり、動きが制限させられたり、逆に自分が思っているよりも大きな動きとなってしまい物にぶつかってみたり・・
「自分のイメージ」と異なることが起こってしまうのです。

こうなると、戸惑いばかりになります。
「あっ！まただ！上手くいかない！どうして～～？？」となってしまうのです（笑）。



先程の生徒さんは、レッスンを通して全身のバランスが整い感覚が変化してくると、「自分の身体を実感」しやすくなったようです。ご本人のイメージは「もっと小さくこじんまりした自分」だったようですが、実際はもっと大きな自分だった。それを実感すると、ゆったりとして、快適で、辛くない。特に、動きやすい！

そして・・・

「なるほど、だから“背も高いし腕も長いのに、あなたはどうしてそんなに小さく見えるんだ”とよく言われるんですね・・」と、おしゃっていました。

現実よりも小さく窮屈な自分自身をイメージし、また使い方に関しても小さく狭く使っていたことが、見栄えも変えていたという事でしょう。周囲からの指摘に対して、やっと腑に落ちた形で理解なさったのではないでしょうか。




「人は観念で活動する」とも言われます。

※観念・・個人の経験した内容をもとにして、頭の中で固定化された主観的な考え


身体のサイズ感にも同様にいえるのではないでしょうか？


さてさて、ご自身のサイズ感・・如何ですか？
ご自分の感覚を疑ってみましょう。（笑）

現実とのギャップが見え隠れするかもしれませんよ！



P.S.～
実は、大学生向けの授業においても「サイズ感についてのワーク」を行ったりします。
自身の身長の長さの毛糸を用意し、その長さを元に身体のさまざな部位を測定しながら、実感として捉えることを求めていきます。特に、両手を水平に広げて指先から指先までの長さは身長とほぼ一緒。それに実感することができると、ほとんどの学生はびっくりします。意外で予想と違う・・ということなんでしょうね（笑）。