2021.04.03What's NEW
主観と客観のバランス
(大辞林より)
主観とは:自分ひとりだけの考え
客観とは:一般的ないし普遍的なもの、主観から独立して存在するもの
我々は誕生してから様々な事を経験しながら、この主観、客観の捉え方を学んできていると考えられます。幼少のころは、身近な人々の考えを学び、物事の考え方、価値観、態度などを教えられながら成長していきます。そして、徐々に「自分の考え」つまり主観を確立し、自分で判断するようになっていきます。同時に社会との関わりが広がるにつれ、普遍的な考えや行いなどを学びつつ、客観という視点を持つようになっていきます。大人と言われる年齢に達する頃には、ほぼ「主観」「客観」が両立し、これらのバランスをどのようにとりながら日々を過ごしていくかというレベルになっていきます。
大人になることで確立されたはずの主観・客観の視点ですが・・・・
バランスをとることはとても難しいことなのかもしれない・・と日々感じています。
日頃ニュースとして流れてくる様々な問題をみても、この主観と客観のバランスの悪さが問題を引き起こしているように思えてなりません。
・交通ルールということを考えれば、あおり運転のような行為は考えられないはずですが、「自分の考え=感情」だけに重きが置かれ横暴な行動に移してしまう。
・ストーカー行為なども同じです。自分の感情を押し通すのみに重きが置かれ、相手の状況や、周囲の反応などには思いがいたらない。
・自宅に大量のゴミをため込んで近隣住人とトラブルを起こしてしまう場合も、本人にとってのゴミの価値(主観)とそれによって発生する問題(客観)の視点が相容れず、偏った思考になってしまうことが原因の一つだと考えられます。
また反して、周囲の状況を気にしすぎるあまり、バランスを崩しやすくなる場合もあります。
・周囲からの目線を気にしすぎるあまり、過剰なダイエットをしてみたり、拒食症や過食症を導いてしまう。
・常に周囲の価値観から外れないようにすることに力点を置き、自分らしさを押しつぶして過ごしている。
などなど
例を挙げればきりがないですが…
つまり・・
主観の比重が大きすぎると、独りよがりな思考や思い込みが強くなり他を受け入れられなくなり、孤立を招くことになり、また客観の比重が大きくなると、他者からの視線や評価(一般的な考え)を気にしすぎてしまい、自分自身を見失うことになりかねません。
そう、バランスが大切なんですね。
我々が日々穏やかに日常を送るためにはこれらの良いバランスが不可欠だと考えられます。
実は、テクニークを学ぶ際にもこの主観と客観のバランスはとても重要です。
立ち座りの場面(チェアワーク)でも、”これで良いと思ってやってきた立ち方・座り方”を皆さんはまず行おうとします。しかし、この主観的なやり方に客観的視点を加えていくのがテクニークのレッスンです。解剖学的な内容や、実践を交えながら、「あなたの今の状況はこうなっていますよ。こんな影響を与えています。」と問いかけていくのです。最初は戸惑いが大きいのですが、少しずつ現状を把握し、受け入れ、動きが変化していきます。
また、周囲からの見栄えを気にしすぎるあまり、過度に腹部をへこませ、胸を引き上げて常に緊張状態に陥っている場合も同様です。本来必要とされる体の状態はどういったことなのか・・ということを少しずつ理解し、受け入れることで、見栄えに関する価値観が変化し始めます。
つまり、主観と客観がバランスを取り始めるのです。
(これが「学ぶ」ことなのかもしれませんね)
我々は常に主観的思考、客観的思考を駆使しながら物事を判断していきます。
時には偏り、片側に重きを置くこともあるでしょう。
しかし、常にバランスを保ちつつ(学びつつ)生きていかなければならないのでしょう。
皆さんは如何でしょうか?
どちらかに偏り過ぎていませんか?
体のバランスだけでなく、思考のバランスも大切です!
P.S~このコラムでは、日々の気づきや疑問をちょっと深掘りしてお話ししています。
特に、ATに関してじっくり考えていきたい方にお読みいただければ嬉しいです。
※コラム投稿は2~3ヶ月に一度の予定です。
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