テクニークの理論を説明する中では、よく出てくる言葉

「Thinking in activity 動きの中で考える」

think考えるということは、通常では動きを伴わずに頭で考える・・とイメージしがちですよね。それをあえて、“動きの中で in activity”と言っているところに深い意味があります。活動と思考を共に行うということです。

動きながら同時に考え、新しい使い方を学んでいくということですが、ただ、一般的な「動きを習得していく（変えていく）過程」とは少し異なります。

一般的には、
新しい動き方を学ぶ➾繰り返し練習する➾自動的にできるようにする（意識せずに）

このような過程を通過し新しい動き方を習得していきます。例】初めて自転車に乗る時など

勿論、これも学ぶ一つの方法ですし間違ってはいないのですが・・

テクニークでの「動きの中で考える」という意味は、
「どのようなことが身体で起こっているのかを意識し実感しながら動く」
「動きを選びながら動く」
「習慣的なやり方や反応を止めながら動く」
「根本的な秩序ある良い使い方を導きながら動く」

その瞬間、瞬間に、自由な選択の余地があり、自分でプロデュースしながら動くこと。そして、どんな動き（複雑、簡単、なんでも）であっても、初めて行う動きであっても、慣れた動きであっても、常に上記の考えを基盤にしながら活動することが、「Thinking in activity」なんです。

よって、”完成”は無い。そして”完璧”もない。
常に新鮮でみずみずしいフレッシュなアプローチとなるのです。

「自動的に無意識で行なえる」ということはとても素晴らしいことです。我々もこの過程を通過しながら様々な事を習得し、行えるようになってきました。しかしその反面、知らず知らずの内に無駄な新しい習慣を身に着けていく危険性も秘めています。例えば、「歩く」ことは問題なくでき、それを意識したこともない人が、長い年月の中で徐々に偏った非効率的な動きになってしまい、数々の問題を生んでいる。こういった話はよく耳にすることでしょう。自動的で無意識に行えることが、完全に良いこととは言い切れないのです。

よって、「考えながら、動きながら、常に新しく使い方にアプローチする」ということを大切にしていただきたいのです。



さあ、皆さんの今日の動きは如何ですか？
最寄り駅までの歩き方、人前でのプレゼンテーションの際の立ち方、演奏をしている最中、今このページをご覧になっている姿勢・・・・

新鮮にご自身に問いかけ、適切な使い方をプロデュースしてくださいね。

Thinking in activity

動きの中で考えましょう

いつも新鮮に！！！