アレクサンダーテクニークで提示する「Primary Controlプライマリーコントロール」とは首と頭と背中（胴体）の関係性を意味します。これが全身のコーディネーションの源となるというで、「プライマリー（原初的）」という言葉が使われます。

このプライマリーコントロールが上手くいくことが、四肢を含めた身体全体のコーディネーションを効果的に導くことができる、ということになるのです。


しかし私達はどうしても「部分」を捉えがちです。

例えば
腕が上手く使えない、痛みがある
膝が痛くて、気になる　　　　　　　など

このような場合、あなたはどこに注目しますか？

きっと、腕や膝などその気になる部位に意識を集中させて、そこだけを「どうにかしなきゃ！」と考えて、部分的に対処を試みる場合がほとんどでしょう。


しかし、特に四肢（腕・脚）の場合、その部分だけで修正しようとしても、結局は上手くいきません。首・頭・背中（胴体）の関係性がいびつな状況であれば、腕も脚も上手く使えるわけがないのです。

【例】手首の腱鞘炎に悩んでいるピアニストが、手首周辺を安静にして炎症を抑えようとされている場合があります。これ自体間違ってはいないのですが、手首の問題は肘や肩そして体幹部分へのつながりが上手くいってなければ根本的には解決できません。再発を防ぐには、手首に負荷がかかりすぎる使い方を止める必要があるのです。そのためには、身体の中央部分から末端への使い方の繋がりが重要なのです。


我々の動きは、全身が関与しています。よって生じる問題も、全身の間違った使い方によって生まれてきます。勿論、突然の怪我により負傷した場合などは別ですが、大抵の場合は、長年の蓄積によって問題を熟成していきます。である日、「あれ？おかしい。痛いな・・」となるのです。

よって何か問題が生じた場合には、まず全身の使い方を見返すこと。そして体の中心部分をまず整え、そして末端部分へと繋がりを大切にした使い方を再構築していくことが重要となります。

このように発想を変えることができれば、大抵の問題は解決の方向に舵を切ることになるでしょう。


私はレッスンの中でよくこう表現します。

「プライマリーコントロールがベースにあり、その先に両腕・両脚への繋がりを捉えましょう。その上で、全身をまんべんなく使いましょうね」と。


中央から末端へ

そして全身への問いかけです。


世の中にはさまざまな方法論がありますよね。
それぞれの捉え方や注目ポイントは異なるでしょう。

しかし、アレクサンダーテクニークに関しては、この考えが大きな柱の一つとなります。


中央から末端へ


蕾から花びらが外に向かって開いていくように・・・
我々の身体の使い方にもこのアイデアを取り入れてみて欲しいと思います！