2024.11.12What's NEW
筋肉は「弛める」方が難しい
日々活動している我々は常に筋肉を活動させ生存しています。意識ではコントロールできない「不随意筋」は、心臓など内臓を動かし続け、これらが常に活動してくれているおかげで生き続けることができます。そして「随意筋」を使いこなすことで、自分がしたい!と思う活動(歩く、座る、寝るなど)をしながら、日常を送っています。
ただ、「随意筋」と言われる筋肉は、自分のコントロール下に置かれ、「意識的に使いこなすことができる筋肉」と考えられていますが、意外と思うように使いこなせていない場合も多いのです。
筋肉の主な役割は「収縮すること」、そして「収縮を解き弛緩すること」です。
この中の「収縮すること」の方が実はとても簡単で、「弛緩」の方が難しいのです。
筋トレを思い浮かべてみましょう。
身体を意識して動かす場合に、意識するのは圧倒的に「収縮させること」です。
「ここの部位を鍛えるんだ」
「この動きに負荷をかけるんだ」
「ここからあそこまで動けるようになるんだ」
と、活動の具体的内容に気持ちを集中させながら筋肉を収縮させて「使う」ことに熱中します。
また、日常の中でも、
「いつもの道を早足で歩くんだ」
「ピアノの鍵盤をしっかり押さえるんだ」
「胸を張って背中をそって姿勢よくするんだ」
など
とにかく「体を動かす=筋肉を使う=収縮させる」方向で思考が満たされてしまうのです。
実は、筋肉は、収縮するとともに必ず弛緩しなければいけません。
例:肘を曲げる際 上腕二頭筋が収縮し上腕三頭筋は弛緩
肘を伸ばす際 上腕二頭筋は弛緩し上腕三頭筋は収縮
収縮と弛緩の移行が上手くいくことで、動きが円滑に行われるのです。身体活動とは正に、筋の収縮と弛緩の絶妙なコンビネーションが全身で行われることで成り立っています。
しかし、弛緩を意識することはあまりありません。残念なことに、無視されているといっても過言ではないでしょう。(リラクゼーションと称して、あえてそのための時間を設けることがあっても、活動中に意識することはほぼありません。)
意識は「収縮!!!!」が大好きで、その方ばかりに気が取られ、その結果、それが習慣化されて「収縮」から上手く移行できず、「弛緩」が中途半端になってしまうのです。動きがぎくしゃくしてくる人は大抵、このような状態です。筋肉が非常に硬く、関節の可動域が狭くなっており、そもそも「弛緩」が上手くいっていないと考えられます。しかし、ほとんどの人々がこのような「硬直状態」になっているのに気づいていません。
でも中には、この状態に違和感を感じ、疑問を持たれる方がいます。
(実は、レッスンにいらっしゃる方の殆どは、この疑問を抱えていらっしゃいます。)
「どうやったらカチカチの身体を緩めたらいいかわからないんです」と・・・・。
肩や背中、全身に渡って鎧を着ているような状態の方は多々いらっしゃいます。
ご本人は、ご自分が必要以上に緊張し硬直していて、動き辛さや痛みを感じたり、問題がある・・と認識しているのですが、どうすればいいのかわからずにいます。つまり、「筋肉を硬くする」方向ばかりで身体が反応しており、「弛める」ことを意識したことがなのです。
レッスンでは様々な観点から「自分の使い方」を学んでいきますが、「弛緩」することも含めて少しずつ学習していきます。これは簡単なようで実はとても難しく、かなり大変な道のりとなります。
勿論、弛緩は「全身のバランスを整えること」ができて、初めて上手く弛緩できます。ですから、個々の筋肉を緩めるようなマッサージをするのではなく、全身を視野に入れた考え方を学習しながら、「無駄な硬直をしない」ということを学ぶのです。動きながら、日々の活動をしながら、どのように使っていくかを学んでいきます。
その学習が充実してくると、動きが滑らかに、軽やかに、快適になってきて・・・・
「えええ~~こんなに身体が軽く感じるなんて!!」と、皆さんおっしゃいます。
「収縮」と「弛緩」が適切なコンビネーションを持つことができるようになってきたという事でしょう。
我々は、どうしても「収縮大好き」「弛緩は苦手」です。
でも、「弛緩も非常に重要」だということも忘れてはいけません。
何事も、適度なバランスが必要という事なんでしょう。
さて、あなたは如何でしょうか?
随意筋として、「弛緩」も意識的に使いこなせていますか??
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