2022.04.09What's NEW
メタ認知としてのアレクサンダー・テクニーク
心理学などの分野ではよく耳にする言葉ですが・・
お聞きになったことはありますでしょうか?
メタ認知とは、「自分自身の認知活動(知覚、記憶、学習、思考、などなど)を客観的に把握する」という考え方です。メタとは高次という意味で、認知活動を高次認知で把握するということで、“活動している自分を俯瞰して捉える”といえるのではないでしょうか。そして、その考え方を用いて自身を上手くコントロールすることを目的としています。
我々は「自分のことは十分に知っている・・」と思って活動しているのですが、実は、把握できずに相当偏ったパターンで日々の生活を繰り返しています。日常の中で特に問題が明るみにならなければ疑問に感じることはないのですが、何か思うようにいかない場面、こうしようと思って活動しているにもかかわらず同じ悪循環に戻ってしまう場面など・・・「どうして?」という瞬間に出合うことがありますよね。そういった場合、メタ認知の客観的な視点というものが大切になってきます。
「自分はこんな風に物事を捉える習慣があったんだ・・」
「自分の学習は、いつもこのやり方だったんだ・・」
「人の意見に過剰に反応することが多かったんだ・・」
「こんな生き方しかできないと思い込んでいたんだ・・」
などなど
日頃どのような認知活動をしていたのかを知ることができて初めて、新しい(正しい、安全な、心地よい・・)認知活動を再構成することが可能になってきます。
実はこれは、アレクサンダーテクニークの学習過程そのものなのです。
テクニークのレッスンの中では、動きを通して習慣的なやり方から「効率の良い自己の使い方」への移行を促していきます。その習慣的やり方には、感じ方、動き方、反応の仕方、更には考え方なども含まれています。つまり、動きの学習のように見えて、実は精神的活動も含まれているのです。自分自身の誤用(ミスユース)はどういったことだったのか?について深く理解していくことが、新しい扉を開いていくことになります。そしてその効果は、無駄のない動きやバランスのとれた姿勢として現れるのはもちろん、ストレスの適切な対処や怪我や疾患を事前に防ぐ行動などとして現れてきます。非常に多岐にわたるのです。
これらは正に、高次の客観的視点
メタ認知
を用いた学習だと考えられます。
ただ、これを行うことは簡単ではなく、かなりの勇気が必要になります。なぜなら、“これまでの自分のやり方を否定していく作業”も含まれているからです。
レッスンへのお問い合わせにも、
「○○を改善したい」
「○○を無くしたい」
「○○を良くしたい」
というお言葉を多く見つけることができます。
で、実際にテクニークのレッスンが始まり、回数が進むにつれて・・・
「えええ~~深いですね!!納得です!」という方もいれば、「そんなに深いことは求めていない」「今までのやり方でないとできない!」と感じられる方もいらっしゃいます。
“改善したい、無くしたい、良くしたい”という想いを満たすことにまっしぐらに突っ走っている方にとっては、客観的に自分自身を捉えることは面倒な作業に感じるのかもしれません。
しかし、この“俯瞰する視点”を無視したままで新しいことを学び始めても、これまで同様の悪循環のサイクルを同じように回り続けることになるのです。
「○○を改善したい」からこそ、何をどのように捉えていかなければならないのか??
メタ認知の考えを受入れ、そして取り入れつつ・・・
ご自身の課題に向き合って頂きたいと思っています。
※勿論レッスンでは、上記のような難しい話よりも身近な内容から進めていきますので・・・お気軽にお考え下さいね(笑)♪
===================
P.S~このコラムでは、日々の気づきや疑問をちょっと深掘りしてお話ししています。特に、ATに関してじっくり考えていきたい方にお読みいただければ嬉しいです。
コラム投稿は2~3ヶ月に一度の予定です。投稿の際に連絡が欲しい方は、メーリングリストに登録いたします!どうぞお気軽にご連絡ください。
Category
Archive
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年5月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年4月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年6月
- 2017年4月
- 2017年2月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年9月
- 2016年6月
- 2016年4月
- 2016年1月
- 2015年10月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年3月
- 2014年12月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年5月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2013年11月
- 2013年9月
- 2013年6月
- 2013年3月
- 2012年6月
- 2012年1月
- 2011年11月
- 2011年8月
- 2011年2月
- 2010年10月
- 2010年7月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年9月
- 2009年5月
- 2009年1月
- 2008年7月
- 2007年1月
- 2006年11月
- 2005年12月
- 2005年10月
- 2005年7月