2022.01.23What's NEW
「噛む」という作業
「噛むこと」つまり咀嚼すること
毎日の生活の中で絶対に欠かせない活動ですね。
食物を口に入れ、「噛む」ことで栄養吸収の第一段階が始まります。噛まずに体内に取り込めるのは流動食や飲料のみで、後は大なり小なり噛んで固形物である食物をできるだけ小さくし、それらが喉を通過するのを容易にするのです。
その為に噛まなければなりません。
実は赤ん坊は、まず吸って飲み込む作業をはじめに習得し、その後上顎と下顎を嚙合わせる動きを覚えていきます。その頃には歯も生え始め、柔らかいものから徐々に、「噛んで飲み込む・・」という作業を習得していきます。
通常の成長過程とはいえ、いつの間にか全く気にせずに「噛む」作業をこなせるようになっていますね。歯が抜けたり、痛みを感じたりした時、あらためて「噛む」ことの大変さを実感するぐらいです。ほぼ無意識に行っています。
ところで、この活動を「口周辺のみでの活動」だと考えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?
これは間違いです。
実は非常に大変な作業なのです。
下顎を上顎に寄せるためには、咬筋や側頭筋などの口周辺(頬や顎も含む)にある筋肉による活動が主に必要なのですが、実はこれだけではありません。下顎を支えるためには顎の下や喉の筋肉、そして首回り、背中、胴体などなどあらゆる身体の部位が支え合って「噛む」という作業を行っているのです。口周辺だけの活動ではなのです。
ここで、ちょっと実験(二つ)をしてみましょう。
❶わざと、背中を猫のように丸め首を硬く緊張させながら噛んでみましょう。次に、頭を高い位置に置き、胴体は丸めずゆったり長く広くさせながら噛んでみましょう。どちらが「スムーズに噛む」作業をすることができましたか?
❷頭を高い位置に置き、正面を向き、胴を長く広くさせゆったりと座ります。そして「噛む」作業をゆっくり繰り返します。注意深くどの筋肉が使われているか観察してみましょう。口周りからどんどん遠い部位まで。かなり遠い部位(骨盤底筋)も反応していませんか??
もうお分かりですね!!
「噛む」ことは実は全身活動なのです。
ということは、身体全体の状態が、顎の動きさらには「噛む動き」に影響を与えてしまうのです。
そして、歯や歯茎への負荷のかかり方にも影響を及ぼします。
例えば、いつも食事の際に身体をねじっていた(例:斜め前にあるテレビを見るために首を傾けながら食べていた。脚を組んで骨盤が傾いた状態で食べていた。など)場合、左右の嚙み合わせに微妙な違いを生むことになります。それが日々積み重なってくると、知らぬ間にいびつに負荷をかけた「噛む作業」を日々繰り返してしまうことになります。歯や歯茎を傷める一因となります。
歯科医院に行くと常に耳にすることは・・・
「噛み方の癖、舌の動きの癖、歯みがきの仕方の癖(磨き癖)は人それぞれです」と。
そして、
「この部分に負荷がかかりやすいようですよ」
「この部分に磨き残しがあります」
「当たりやすい歯の部分をちょっと削りますね」
などなど・・そのたびにチェックし調整して下さいますよね。
歯みがき指導に関しては、具体的に指導されることが多いでしょう。
でも残念なことに、「噛む作業」に関しは何も言及がありません。
しかし、これこそ我々自身がコントロールすべき範囲だと思うのです!
つまり、自分の「噛む」時の状態を振り返ること。
・同じ場所ばかりで噛んでない?
・片方の顎ばかりに頼って噛んでない? など
噛み方に加えて・・・・
・脚を組んでない?
・ねじってTVを見ながら??
・顎を突き出してない??
・胸がへこんで猫背になってない??
・頭を傾けてない??
・首が緊張してない?? など
全身に注意を向けるのです。
そして、全体のコーディネーションを整えつつ「噛む」作業をしましょう!
さて、皆さんはいつもどんなふうに噛んでいますか??
噛む
簡単なようで、複雑な活動です。
あなた全体が影響していることを念頭に、丁寧に向き合ってくださいね。
大切な歯を守るために!!意識的にお過ごしください!!!
P.S.~アレクサンダー・テクニークの理論は、スムーズな顎の動き、さらには「噛む」作業の基礎になります!
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P.S~このコラムでは、日々の気づきや疑問をちょっと深掘りしてお話ししています。特に、ATに関してじっくり考えていきたい方にお読みいただければ嬉しいです。
コラム投稿は2~3ヶ月に一度の予定です。投稿の際に連絡が欲しい方は、メーリングリストに登録いたします!どうぞお気軽にご連絡ください。
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