2018.01.30コラム
自分の行動を認識する

先日、NHK番組(1月29日あさイチ)で、DV(ドメスティックバイオレンス)について述べられていました。
まず簡単に内容を…
加害者及び被害者の双方が、その状況を改善していくためには、支援(行動を認識するためのプログラム)が必要である。
その中で特に興味深かったのは、加害者側の意見として「DVを行っているという認識が全く無かった」ということ。
「自分のしている言動(DV)はパートナーの為、家族の為にしていることだと信じていた」
「管理職として働く自分は、家族を部下のように扱っていた」
「良い家庭にするために、自分がパートナーを教育しなければいけないと思っていた」 など
自分が行っている言動が、周囲とどういう関係性を構築しているのかについて理解できていないということである。
こういった価値観を構築するには、生育環境など様々な要因が絡んでいるとのこと。
そして、この状況を克服するために、自分の行動を客観的に観察し、認識し、どういう行動を選択していくのかを、支援プログラムを通して学習していく。
この様なことが述べられていました。
この番組を見ながら、ふと感じたことは・・・・
DVに至るような劣悪なケースではなくても、「自分が自分を把握できていない状況」は全ての人に当てはまるということです。つまり、自分で思っていることと、実際にどのようなことが起きているのかが一致せず、認識・理解できないということです。
例えば、もっと身近な事柄では・・・
・「いつも右肩が上がっているよ」と指摘されても、自分では上げているつもりがない。
・背中の側弯を指摘されて、初めて自分が身体をねじって字を書く癖を持っていることに気付いた。
・自分のパフォーマンス映像を見てみると、予想外の動きをしていた。 など
これらの例は、DVの様に対人関係を悪化させるような状況を生むものではありませんが、根本的な「自己認識できない」ということでは、同じことだと言えます。
我々の頭脳は、生命体の中で最も高度なものとされてきましたが、実は把握できない範囲も多く、また学習内容や環境などの要因によって、間違った情報を正しいと認識してしまう危険性を持っているということなんでしょう。だからこそ、客観的に観察することを忘れてはいけないのです。
F.M.アレクサンダーは「信頼できない感覚認識」という考えを提示し、その上で、「常に自分自身と向き合い、どのように自分を使っていくのかを建設的意識的にコントロールする必要性」を説いています。これは、単なる「動きの改善」などの狭い範囲にとどまらず、物事の捉え方など精神的な側面も含まれています。
「自分を疑ってみなさい」
「習慣的パターンの上で行動に移すのではなく、いったん止まって考えなさい」
「そして、やるべきことを選択してから、実行しなさい」
そう、アレクサンダーの声が聞こえてきそうです。
「自分の行動を認識する」
我々全てが、常に考え続けるべきことなんでしょうね。
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