2010.10.30コラム
価値観をひっくり返す大作業
私はレッスンが進んでいくにつれて、このことについて話すようにしています。
レッスンが始まった頃は、皆、感覚の変化や痛みが緩和されたことなどに夢中になります。しかし、レッスンが進むにつれ、「自分と向き合う」機会が多くなってくる中で、「自分の今までの習慣(考え方も含む)が如何に自分を苦しめてきたか?」ということ、そして、「それを変えていくためにはどうすればいいのか?」ということにぶち当たります。そしてレッスンで学んだことを実践しようとして、上手くいったり、上手くいかなかったり、 暫くは行きつ戻りつしながら、少しずつ理解を深めていきます。本人にとっては非常に辛い部分であり、自分が長い年月をかけて築き上げてきた価値観をひっくり返さなければならない大作業に直面するのです。
もうちょっとわかりやすく具体的に説明すると・・・・・・
「肩がこる」ということを例に述べてみましょう。
「肩がこる」というのは、「肩に異常な緊張をしている」ということ。つまり、「肩を強張らせているパターンを持っている」ということです。しかし、これは肩だけに注目しても改善できず、肩こりは再び必ず!やってきます。つまり、肩がこってしまう前に、「こらない!」ようにしなければ根本的な改善にはならないのです。それには、身体全体のバランスを整えつつ、「本人自身が自分の緊張パターンに反応しない」という作業が必要になってきます。
肩がこる状態を作るのは、長年慣れ親しんできた自分の緊張パターン。
それに反応しないというのは、ここで文章をスラスラと読むうえでは想像できないほど、大変な作業なのです。
みんなそれぞれ、自分の価値観を身体にため込んで生きています。それが当たり前になって「正しい!」と感じていますから、それを手放すのはとてつもなく恐ろしく、怖く感じるのです。
先日、こんな話を聞きました。
「アレクサンダー・テクニークで学んだことは普段の生活の中で実践しようとしています。でも、バレエをするときはできません。こう(自分のやり方)でないとで踊れないんです・・・・・。」
彼女は自分の身体が覚えこんでいるやり方(価値観)を用いないと、怖いのです。一方で、自分の身体に問題が多々出ていることを認めているにもかかわらず・・・・・・
彼女の場合、急に劇的な変化をすることはないでしょう。でも、少しずつ自分が信じ込んでしまっている感覚を見直しながら、「えええ?これでも踊れるの?」という体験を増やしていって欲しいと思います。そうすれば、もっと楽に、優雅に、タフに踊れるはずです。
「価値観をひっくり返す作業」というのは、そのひとにとって予想以上の作業であり、本人の同意がないと始まりません。
このコラム欄の「アレクサンダー・テクニークを学ぶタイミング」(2010.1)のページでも述べていますが、やはり人それぞれのタイミングなのだと思います。
みなさん!「試してみようかな…?」から始めてみてくださいね。
ここからが、アレクサンダー・テクニークの本番であり、醍醐味ですから!
レッスンが始まった頃は、皆、感覚の変化や痛みが緩和されたことなどに夢中になります。しかし、レッスンが進むにつれ、「自分と向き合う」機会が多くなってくる中で、「自分の今までの習慣(考え方も含む)が如何に自分を苦しめてきたか?」ということ、そして、「それを変えていくためにはどうすればいいのか?」ということにぶち当たります。そしてレッスンで学んだことを実践しようとして、上手くいったり、上手くいかなかったり、 暫くは行きつ戻りつしながら、少しずつ理解を深めていきます。本人にとっては非常に辛い部分であり、自分が長い年月をかけて築き上げてきた価値観をひっくり返さなければならない大作業に直面するのです。
もうちょっとわかりやすく具体的に説明すると・・・・・・
「肩がこる」ということを例に述べてみましょう。
「肩がこる」というのは、「肩に異常な緊張をしている」ということ。つまり、「肩を強張らせているパターンを持っている」ということです。しかし、これは肩だけに注目しても改善できず、肩こりは再び必ず!やってきます。つまり、肩がこってしまう前に、「こらない!」ようにしなければ根本的な改善にはならないのです。それには、身体全体のバランスを整えつつ、「本人自身が自分の緊張パターンに反応しない」という作業が必要になってきます。
肩がこる状態を作るのは、長年慣れ親しんできた自分の緊張パターン。
それに反応しないというのは、ここで文章をスラスラと読むうえでは想像できないほど、大変な作業なのです。
みんなそれぞれ、自分の価値観を身体にため込んで生きています。それが当たり前になって「正しい!」と感じていますから、それを手放すのはとてつもなく恐ろしく、怖く感じるのです。
先日、こんな話を聞きました。
「アレクサンダー・テクニークで学んだことは普段の生活の中で実践しようとしています。でも、バレエをするときはできません。こう(自分のやり方)でないとで踊れないんです・・・・・。」
彼女は自分の身体が覚えこんでいるやり方(価値観)を用いないと、怖いのです。一方で、自分の身体に問題が多々出ていることを認めているにもかかわらず・・・・・・
彼女の場合、急に劇的な変化をすることはないでしょう。でも、少しずつ自分が信じ込んでしまっている感覚を見直しながら、「えええ?これでも踊れるの?」という体験を増やしていって欲しいと思います。そうすれば、もっと楽に、優雅に、タフに踊れるはずです。
「価値観をひっくり返す作業」というのは、そのひとにとって予想以上の作業であり、本人の同意がないと始まりません。
このコラム欄の「アレクサンダー・テクニークを学ぶタイミング」(2010.1)のページでも述べていますが、やはり人それぞれのタイミングなのだと思います。
みなさん!「試してみようかな…?」から始めてみてくださいね。
ここからが、アレクサンダー・テクニークの本番であり、醍醐味ですから!
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