コラム②

アレクサンダー・テクニークのレッスンの中では

「無駄な緊張を止めましょう」
「首を自由に、解放してあげましょう」
「ほったらかしにしましょう」  etc.

これらの言葉を繰り返し、理解を深めながら進めていきますが、

ついつい「弛緩すること」を重視してしまう場合があります。
中には、筋緊張自体が「悪」であるかのように感じてしまう人もいます。

実は、これは大きな間違いです。

これらの言葉の本当の目的は、コーディネートされた全身の活動を導くためのベースとなる『適切な緊張の度合い』を見つけることなのです。

我々が生きていくためには、姿勢や体温を保持したりなどの生命維持のために必要な筋緊張(muscle tone)がベースにあり、この適度な筋緊張があってこそ、随意運動(「腕を上げたい!」→腕が上がる)としての筋緊張がスムーズに行われるのです。筋肉は、常に適度な収縮力と張力があり、持続的なことが重要です

「弛緩すること」ばかりを重視すると、筋緊張が足りないために支えることができなくなってしまったり、「動こう」とした時に筋力を伴うことができなくなります。また一方で、「緊張すること(筋肉を硬くすること)」に懸命になりすぎると、無秩序で過剰な活動を繰り返し過度な緊張状態が常態化し、目的を果たすどころか慢性疲労や怪我などの問題を導いてしまいます。緊張の程度を間違うと、どちらの場合もバランスを崩す方向に向かいます。

緊張しすぎもダメ
弛緩しすぎてもダメ    なのです。

長い年月をかけて習慣的な使い方を構築していく我々は、適切な度合いはどこなのかが分からずに無茶苦茶な使い方に陥ってしまいます。

このような混乱状態から抜け出すためのアプローチとしての、冒頭の言葉であり、
決して「弛む」ことだけを目的としていません。

全身が調和を持って動ける、コーディネートされた使い方のベースとなる『適切な筋緊張の度合い』を見つけていく為の言葉がけなのです。

※このようなことを捉える時、大抵は「硬くする(筋収縮、筋力を使う、筋力をつける etc.)」か、「弛める(筋弛緩、リラックスする、ストレッチする etc.)」のどちらか一方のみで考えがちです。ですから、「アレクサンダー・テクニークでは弛緩が大切なのだ」と、一方向のみで捉えられ易いのかもしれません。


あなたにとっての「適切な筋緊張の度合い」 

全身的な根本的コーディネートを整えつつ、見つけていきましょう!

 

「リンク」日本語としての市民権を、近年完全に獲得してますね。

今は、この言葉の意味は殆どの方が理解できます。

この言葉との付き合いに不慣れな我々としては、SNSやInternet上の繋がりのみをイメージしてしまいがちですが、もっと用語として深く捉えれば、「物事を連結させ、それらを繋ぐことによって、更に広く、また深くその意味を掘り下げる・・・」ということかと思います。

実はこの「リンク」、テクニークを学ぶ上でも非常に重要です。

レッスンを受けられる方は・・・・

音楽やダンス、スポーツに生かしたい人、人前での緊張を改善したい人スムーズに話せるようになりたい人腰痛や肩こりを改善したい人 などなど。動機や目的は多岐に渡ります。

しかしレッスンで行う基本的なことは同じです。(人間の根本的な使い方についての学習だからです。) そして、そのレッスン後、生徒さん自身がしなければならない重大なことが残っています。つまり、学習したことを自分の目的にリンクできるか?ということです。

時折「先生と一緒にすればできるんですけど・・・ひとりだと・・・できません」と言われます。我々指導者は、ハンズオン(生徒の身体に指導者の手を置きながら行う)によって新しい体験を提供し、考え方などのヒントを伝えていきます。しかし、生徒さんの実生活まで付き添うことは不可能です。レッスンで学んだことを実践していくのは、生徒さん自身に託されているのです。レッスンを受け始めた当初は、皆、必ず試行錯誤する期間があり、満足できない状況を繰り返します。しかし、「自分が今まで行ってきた無駄な習慣はこういう事なのか・・・ではどうすればいいのか? どのように考えていけば良いのか?」など、新しい考えを受入れ深めることを怠らなければ、少しずつ自分自身で実践できるようになっていきます。

ところが、レッスン中の快適さ(「何だか心地いい」「リラックスできる」etc.)だけを求め、指導者に頼り切った状態では、いつまでたっても何も変わりません。 受け身気分のままでは、「新しい自分」は育まれないのです。

一方で、この「リンクする」ことに高い感性を持っていて、“研ぎ澄まされている人”は、すぐに応用できるようになります。※各分野のトップに名を連ねる方々は、殆どがこのような方です。

我々は何か新しいことを学ぼうとした時、様々なことを関連付けて繋ぎ、連結させていくことによって、大きな器を作っていくことを忘れてはいけません。それが無ければ、非常に味気ない狭い範囲での学びになってしまいますよね。どのような分野の学びでも、その視点を忘れてはいけないのです。

テクニークのレッスンは学習です(あなたは治療を受ける患者ではありません)。

受け身の学習者ではなく、能動的な学習者になりましょう。

そして、「リンク」させていく感性を研ぎ澄ましましょう!!

繋ぐ、組み合わせる、関連づける・・・・これが“学びの基本”です!

P.S. 当サイトの「アレクサンダー・テクニーク」ページには「理解する上で大切な事」と題して4ポイントを記しています。ご参考までに♪